私は1人じゃない。
皆がいる。
そう信じさせて・・・!
信じるもの、その先に-24-
「嘘・・・っ!?」
鍵を閉められた!?
ガチャガチャと扉を押しても開かない。
油断しすぎた・・・・っ!
「また・・・強い私だったもの・・・。」
強い私は相手しか見えない。
相手を救いたい、と思うから。
「・・・バカなのね、私も。」
扉から離れてそっとフェンスに触れた。
カシャン・・・と音が鳴る。
ここから降りても・・・逃げるだけ、か。
逃げないって決めたもの。
挑戦を受ける・・・って。
そう決めたのは・・・数ヶ月前。
少しは強くなったかな・・・。
「咲人に頼らなくなったね。」
でも忘れてないよ。
ただ1人じゃないだけ。
咲人を知ってるがいただけじゃない。
今はたくさんいる。
私をわかってくれる人が。
ジロちゃんも精市ももチョタも若もいる。
「大丈夫・・・。会いに行くから。」
ここかれ出れたら会いに行こう。
咲人の大好きな花をいっぱい持って。
「約束は守るから。」
空を見上げてふっと笑った。
ピチャン
頬に冷たいものが当たった。
ピチャ ピチャ
今度は2つ。
ザーーーー
「雨・・・・?」
体がどんどん濡れていく。
雨は止まらない。
寒い・・・。
私は座り込んで体を抱え込んだ。
この屋上に雨を避けられる場所はない。
自分で体温を逃がさないようにしなくちゃいけない。
「・・・さむいよ・・・。」
体が冷えていくのがわかる。
そのうち、私は意識を手放した。
「雨・・・・?」
あたし廊下から外を見て呟いた。
チッ・・・。
今日は傘持ってないぞ。
帰るまでにやむことを祈るしかねぇ。
「っ!」
「ジロー?」
ジローが後ろから走ってきた。
何を焦ってんだか・・・。
「ちゃん知らないっ!?」
「・・・何があった?」
「ちゃんがいないのっ!」
「・・っ!どこ探した!?」
「特別教室棟と中庭、裏庭・・・・。」
「わかった・・・!」
あたしは一目散に走り出した。
まず向かったのはの教室。
「越前さん!?」
「の机、どれだ!?」
ひとつだけボロボロの机を見つけた。
そこをてきとうに漁る。
「・・・これか。」
あいつからの手紙。
『屋上に来てください。 美鈴』
屋上・・・・?
外は雨。
まさか・・・・っ!
あたしは漁った机をそのままに屋上へ向かった。
「っ!」
「屋上だ!」
屋上に鍵がかかっている。
ここか!
ガチャリと開けるとそこには倒れたが。
「ちゃん・・・・?」
「・・・っ!ジロー、ジャージ貸せっ!」
ジローのジャージをにかけた。
意識がない。
・・・熱い。
「ジロー、どこか病院!」
「・・・蒼耶さんだ。」
忍足の兄貴か・・・。
「そこにをつれてけ!」
「は?」
「鞄とってから行く。とジローとあたしのと。」
「わかった!」
あたしは屋上から出る。
後ろではジローがを抱えてるだろう。
あいつ・・・あとでぶっ飛ばす。
階段を飛び降りる勢いで降りていく。
連絡先・・・知らねぇな。
まぁ、忍足の兄貴ならアポなしでも大丈夫だろうけど。
「越前・・・・?」
「宍戸か。」
今、かまってる暇はねぇ。
「・・・伝えとけ!あたしとジローとは早退するって!」
「あ・・あぁ・・・?」
あたしは3つの鞄を持って学校から出る。
忍足の兄貴の病院は・・・そこまで遠くねぇな。
大丈夫・・・。
はすぐに回復するさ。
絶対に・・・。
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