また1人。

自分から突き放したのに・・・

哀しいのは何故?





信じるもの、その先に-5-





「関わらないで。」


ショックだった。

守ろうと思ってたのに。

ちゃんに突き放された・・・・。

俺はそこにいることができなくて屋上を出た。


「・・・なんだよ・・・・守るって決めたのに・・・。」


俺はこのまま授業をサボることにした。

今の状態で授業を受けても耳に入らない。

考える時間が欲しかった。


ちゃん・・・・俺、君がやったなんて思ってないC。」


だってちゃんとちゃんめちゃくちゃ仲良かったじゃん。

『信友なの』って自慢してたC。

信友なら殴ったりする?

ちゃんはしないよ。

だってちゃん優Cもん。


「・・・ちゃん1人でどうすんの・・・?」


1人じゃ辛さも倍。

だけど・・・・2人だと半分だよ・・・?


ちゃんのせいじゃない。」


守るって決めた俺も悪い。

さっき逃げずに『守る』って言えばよかったのに・・・。

なんで屋上から出たんだよ・・・。


ガッ


「くそっ・・・・。」


俺は校舎の壁を殴った。

守りたいのに・・・・ちゃん・・・。







「咲人・・・私・・・・1人で大丈夫かな・・・・。」


ジロちゃんが守ってくれるって言ったのは嬉しかった。

でも・・・・もう誰もケガして欲しくないの。

私が弱いからケガをさせちゃうの。


「私が・・・学校に行かなければいいの・・・?」


そしたら終わる・・・?


『約束して。俺にはもうできないから・・・。』

『私にできる・・?』

『うん・・・だからして欲しい。どんなに辛くても・・・学校には通って。俺がずっとを守るから・・・。』

『・・・・うん。約束。』


それが咲人との最後の約束。

だからダメ・・・。

絶対に破っちゃダメ。

約束は『守らなければいけないもの』だから。


、少しいい?」

「・・・え?」



バキッ



「かはっ・・・・・!」


最初、何をされたかわからなかった。

女子に・・・・殴られた・・・。


「美鈴に何してたのよ・・・・!」


え・・・・?

美鈴に・・・?

そうだ・・・・。

私がやったって見られてるんだっけ・・・・・。

殴られた衝撃で何も考えられない。

きっと後頭部にでもあたったのだろう。


「美鈴が家で言ってたのよ・・・!『先輩が怖い・・・部活に行きたくない』って!」

「美鈴の・・・・お姉さん・・・?」

「従姉妹よ!・・・美鈴の名前を呼ぶな・・・!」



バキッ



「やっ・・・・!」


また殴られた。


「美鈴を虐めたアンタを私は許さない!・・・・同じ事してあげるわ・・・。」


静かに、だけど怒りがすごく含まれた笑みだった。

同時にその笑みは哀しく見えた。

とても・・・とても・・・。


相手は5人。

全員が殴ってくる。

顔から腕から血が流れてくる。


「っあ・・・・!」


もう・・・たってられない・・・。

屋上に倒れこんだ。

抵抗ももうできない・・・。



バキッ



「っ・・・!」


腹をおもいっきり蹴り上げられた。

口から血が出る。

きっと・・・痣になってるな・・・。


「こいつ血吐いたよ・・・!」

「汚ねぇ・・・・。」


一度蹴りが入ってから殴りは蹴りに変わった。

手を血で汚したくないのね・・・・。

靴は新しいもの買えるから・・・。

1人が手を振り上げて私は目を瞑った。



バシッ



音がしても殴られた感覚はない。

感覚がマヒしたのだろうか・・・。

恐る恐る目を開いてみるとそこには見慣れた姿が。


「・・・・やっぱ俺、ちゃんと一緒に居たほうがEみたい。」





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