許さない、

許したくない、

私は貴方を・・・・!





信じるもの、その先に-2-





川瀬先生は急いでの手当てをしている。

血のついた制服、乱れた髪、気を失った、顔の痣・・・・・。

この惨状をそのままあらわしていた。


「景吾・・・・皆を集めて?隣の部屋に。」


この部屋を、この状態を見せることはできない。

だから私から話そうと思う。

私の知っていることを全て・・・・。

景吾は皆を呼びに部屋を出た。


「先生、をお願いします。保健室なんてやめてくださいね?危ないんですから・・・。これはここだけの秘密・・・っていうことで。」

「承知致しました。様はどちらへ?」

「隣の部屋にいます。何かあったら呼んでください。しばらくしたらまたここへ来ますが。」


は今眠っている。

ごめんね、・・・。

私のせいで巻き込んじゃって・・・・。

を起こさないようにそっと隣の部屋に移動した。

そこにはもうレギュラーの皆がいる。


「ごめんね、突然。でも・・・のこと。」


ここにはいない。

だから皆が驚くのは自然的なこと。


はどこにいるん?」

「隣の部屋。でも・・・まだ行かないで。」

「どういうこと?」

は誰かから私刑を受けた。それは・・・今までと比べ物にならないくらい。」


握り締めていた紙を出す。

握り締めていたからぐちゃぐちゃだけど気にしない。

どうしても皆に見てもらいたかった。


「これは・・・?」

「机の上にあったのよ・・・。」

「心あたりはありませんか?」

「ない・・・・でも私はこれを受ける。許せないの・・・。私のことが・・犯人のことが・・・。」

「何で自分を許せないんだ?」

「私のせいでを巻き込んだ・・・。私がと関わってなかったら・・・は傷ついてなかった・・・・!」


私は弱いの・・・・。

でも逃げない・・・!

許せないから・・・。

をこんなに傷つけたことが・・・。

関係ないを巻き込んだことが―――――!


が危険になるだけじゃねぇかっ!」

は関係ないのっ!私が嫌なら私をやればいいっ!何で関係ないが巻き込まれなきゃいけないのっ!?」

一気に言い放った。

例え皆に反対されても私は受けるの・・・・!


ちゃんが決めたならEんじゃない?」


少しの沈黙のあとにジロちゃんが口を開いた。

誰もが反対していたのに。


「ジロー!?」

ちゃんは許せない。ちゃんを巻き込んだこと、関係ないちゃんを傷つけたこと、そしてちゃんを巻き込むことになった自分のことを。それでEじゃん。だってちゃんが決めたんだよ?他の誰でもないちゃんが。だからさ俺らはちゃんを守ろうよ。」


また沈黙が走る。

私の勝手なのに・・・・。

皆関係ないのに・・・・。


「あぁ。俺らがを守ろうぜ!」

が考えを変えるわけねぇしな。」

先輩、無理しないでくださいね?」

「え・・・ちょっと・・・ちょっと待ってよっ!」


皆が盛り上がり始めたときに止めた。

私も勢いに流されそうになった・・・。

でもやっぱりダメだよ・・・。


「守ってくれるって言うのは嬉しいよ?でも皆を巻き込みたくない。もう誰かがみたいになってほしくない・・・。」


やけに声が部室に響いた。

イヤなの・・・。

誰かが私のせいで傷つくのが。

私、ホントに弱いね・・・。

弱いから逃げる。

1人でいる。

誰かがため息を漏らした。


、俺達はそんなに頼りねぇのか?」

「違うっ!もう誰も傷ついて欲しくないのっ!」

「俺たちも同じだ。」

「え・・・?」

「俺たちもに傷ついて欲しくねぇんだ。」

「俺らはいつでもの味方だぜ・・・・?」

「でも・・・っ!」

ちゃん、守らせてよ。それが俺らの挑戦の受け方。」


挑戦の受け方・・・?

私を守ることが・・・?

違う・・・!

納得しない私を納得させるためだ・・・。

でも・・・でも何で・・・?

「ありがとう・・・でも・・・何で?何で私を守りたいの?」

が好きだから。守りたいって思った。」

先輩のことも許せませんし。」

「きっとを守るって言うと思うぜ?」

「・・・あり・・・がと・・・。」


涙が溢れた。

悔し涙でも悲しい涙でもない。

嬉しい涙が・・・・。

しばらく涙が止まることはなかった。

でも・・・これからは泣いてなんかいられない。

泣いてたらそこで負けだから・・・。

私は負けないの。

絶対に・・・。

許せないんだから・・・・!!


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