この日が私を変えた

あの”日常”から

許すことは――――決してない





信じるもの、その先に-1-





ピンク縁の眼鏡に金髪にも見えるライトブラウンの髪。

眼鏡に度は入っていない。

眼鏡を外せばもっと綺麗になるだろう。


「部活、行こうよ、。」

「んー。」

「大丈夫?」

「今から、だよ。」

「そっか・・・・。私も行こうか?」

「ダメ。・・・これは私の問題だし、景吾たちも困るわ。」


瞳はしっかりしている。

つまり気持ちを変えるつもりはない。

だからも部活へと行った。

氷帝学園男子テニス部のマネージャー。

それをが勤めている。

その二人が二人とも女性とから敵視されていた。

跡部たちは二人を信頼しているためにマネージャーをクビにされることはない。

お互いがお互いしきあを信じていない。


「へぇ、来たんだ。今日も逃げると思ったのに。」

「昨日は風邪を引いてただけよ。」

「生意気な口叩いてんじゃないわよッ!」

「っつぁ・・・・!」

1人の少女が手をあげると皆が手を出し始める。

服を着れば隠れるところに。

ブラウスに血が滲み、痣が出来ていく。

腹部に、背中に。

きっと傷は青くなったり赤くなっている。


「ねぇ、いつになったらやめてくれるんですかぁ?」

「ウザいんですよ。跡部様たちに気に入られてて浮かれてて。」

「はっ・・・・あうぅ・・・・!」

「少しは答えなさいよっ!」

「やめるはず・・・ないでしょ・・・。バカじゃない?」


はこの仕事に誇りを持っている。

誰になんと言われても。

だからやめるはずはない。


「バカ・・・?」

「そうよ。・・・・いくら言われても・・・やめないわよ・・・。」

「それが生意気って言ってんだよっ!!」


頬を叩かれる。

そこから流れる血は隠すことは出来ない。


「先輩っ!」

「あ・・・・。行くわよッ!!」

「「「はい。」」」

(また・・・この構成・・・・)


1人、リーダーがいる構成。

リーダー以外は大抵1,2年生。

1人になった屋上ではのろのろ起き上がる。


「行かなきゃ・・・・が待ってる・・・・。」


自分よりも人。

それはが無意識に行っていること。

屋上を出て部室へ向かう。

途中すれ違う女子にはクスクス笑われ、男子には無視されながら。

何もなかったかのように部室へ入る。


「ごめん、・・・。」

のせいじゃないわ。・・・手当ては?」


は首を横に振る。

保健室へ寄っても先生は手当てをしてくれないから。

この学校でを心配しているのはと男子テニス部、そして榊だけだ。

校長ですらのことを放っている。


、こっち来て。」


の言葉に従う。

はテキパキ手当てをしていく。

途中傷を見て哀しい顔をしながら。


「はい、できた。仕事はできる?」

「ありがとう。大丈夫よ・・・・着替えていくわ。」


その言葉を聞いては出て行く。

もまた着替えてコートへ向かう。

は1人でいる間涙を浮かべることはなかった。

哀しい顔をしていたが。

部室から出てコートへ向かうときはいつも自然と笑みが浮かぶ。

学校での安らぎはそこだから。

しかし・・・その笑みは作り笑いにも心からの笑みとも見れる曖昧なもの。


、遅かったな。」

「うん・・・まぁ、ちょっとね。」

「また、されたんか?」

「何でバレるかなぁ・・・・。」

が遅いときは大抵そうやろ。」

「気付いてたんだ・・・・。」


2人が宿題を忘れたりはしない。

だから自然と考えがつく。

テニス部の皆が2人を好きだ。

守りたいのに・・・・守れない。

皆がそう思っている。


「ホンマに何かあったら言いや?」


忍足はの頭をポンポン叩いてコートの中へ入った。

も部室へ戻る。

ドリンクを作るために。


ガチャ


扉を開けたとき、そこにいたのは傷ついた――――。


っ!?」

「・・・・・・?」

「大丈夫っ!?」


慌てて傍に行くとは意識を失っていた。

保健室はダメ・・・・!

先生も助けてはくれない・・・・!

は携帯を取り出した。


「景吾っ!?」

<<あん?どうした?>>

「今すぐ総合病院の川瀬先生を部室に呼んでっ!が・・・・!」

<<すぐに行く!>>


それだけで電話を切る。

は額や腕、足から出て至るところに痣ができているた。

さっきのの傷と比べ物にならないくらいにひどい。

ジャージに血が滲み出してくる。


「何で・・・今までこんなに酷いこと・・・こんな時間になかったのに・・・。」


部活のときに手をだしてくることはなかった。

それは自分達がしたとバレたくないから。


「・・・・っ!」


テーブルの上の紙。

その紙にはこう書いてあった。


 私は貴様を許さない』


つまり、への挑戦状。


「このためにを・・・!」


は紙をぐっと握り締めた。


「受けてやろうじゃないのっ!!」

―――私もあなたを許さないわ・・・・!





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